幸せな結婚生活を送るために:結婚前にチェックすべきポイントまとめ
更新日:2024.12.31
はじめに
結婚は人生の大きな節目であり、大切なパートナーと新たな生活をスタートする一歩です。しかし実際には、3人に1人が離婚するともいわれるほど、結婚生活の維持は容易ではありません。多くの場合、結婚前から存在していた価値観のズレや生活習慣の違いが、あとになって表面化し、離婚に繋がることもあるのです。
だからこそ、あらかじめ「よくある離婚原因」を知り、結婚前から対策を考えておくことが大切です。本記事では、統計データを交えて代表的な離婚原因の割合を紹介し、結婚前にできる具体的な行動を整理しました。ぜひ今後の参考にしてみてください。
1. よくある離婚の原因と割合
日本国内で報じられている主な離婚原因には、以下のような傾向が見られます。
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性格の不一致
日常の会話・意見交換の不足、価値観や考え方のズレを放置すると大きな衝突に繋がる可能性があります。また、信仰、子どもへの教育方針、実家との関わり方など、多岐にわたるテーマが離婚のきっかけになるケースがあります。
男性59.6%・女性7.5%が性格の不一致を理由に離婚を申し立てています。。 -
DV(ドメスティック・バイオレンス)の問題
身体的暴力に加え、精神的暴力(モラハラ)や経済的支配(生活費を渡さない)も含まれます。男女別のDVによる離婚申立ては以下のとおりです。
- 身体的な暴力:男性9.4%・女性19.7%
- 精神的暴力:男性20.4%・女性25.2%
- 経済的支配:男性4.4%・女性30.4%
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浮気・不倫
結婚生活の信頼関係を根本から揺るがす深刻なトラブルの一つです。男性13.8%・女性15%が異性関係を理由に離婚を申し立てています。
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金銭感覚・経済的問題
収入格差、借金の有無、浪費や節約の度合いなどが要因となります。浪費による離婚は、男性12.1%・女性9.2%という結果が示されています。
補足:
- これらの原因は、しばしば複合的に絡み合い、合計すると100%を超えることもあります。
- 上記の割合は、『令和3年 司法統計年報(家事編) 第19表 婚姻関係事件数―申立ての動機別申立人別』を参照しています。
2. 離婚原因を防ぐために結婚前にやるべきこと
結婚前は「好き」という気持ちが強く、相手の意見を表面的に受け入れがち。しかし、実際の結婚生活では性格や価値観の不一致が顕在化しやすいため、結婚前から意図的にコミュニケーションの場を設けて相手を知る努力が必要です。
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価値観や性格の不一致を「対話」で見極める
「もし子どもが生まれたら?」「仕事を辞めたいと思ったら?」などの仮定の質問を投げかけ合い、相手の価値観や人生観を引き出します。
一つのトピックごとに深掘りしていくことで、大枠の方向性や考え方が合うのかどうかを確認できます。 -
週1回・月数回など、定期的に話す時間を作る
テーマ例:「家族や親戚との付き合い方」「お互いの趣味の許容範囲」「家事の役割分担」など。
リストアップした話題を順番に話し合うと、抜け漏れを防ぎやすくなります。 -
相手の反応と、自分の本心を大切にする
相手の話を否定せずに最後まで聞く“聞き上手”を心がける。
遠慮して自分の本音を言わないと、結婚後に不満が膨らむ原因となります。 -
生活の一部を試してみる(同棲・お試し同居など)
完全な同居が難しければ、休日に一緒に長時間過ごして家事分担や生活ペースをシミュレーションします。
互いに「自然体」に近い行動が見えると、結婚後のギャップを把握しやすくなります。
日々の生活習慣が合わないと、細かい衝突が積み重なりやすくなります。特に結婚後は「家事」「仕事」「子ども」といったテーマが大きなポイントです。
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家事・育児の分担を細かく設定
平日はどちらがゴミ出しをするか、食事の準備や後片付けはどうするかなど、具体的に決めておくとスムーズです。
育児に対しては、「子どもが病気のときは誰が休むか」など、少し踏み込んだ話題も大切です。 -
ワークライフバランスの共有
仕事の繁忙期や夜勤などのスケジュールが分かるように、お互いの職種や働き方を事前に理解しておきます。
時間的なすれ違いをなくすために、休日の過ごし方をすり合わせるのも大事です。 -
パーソナルスペースとリラックスの確保
一人で過ごす時間をどれくらい確保したいか、友人と会うことや趣味を優先する頻度はどの程度かを話しておきます。
互いの「テリトリー」を尊重することも、円満な結婚生活のコツです。
意外と見落とされがちなのが、親族との距離感です。結婚は本人同士だけでなく、家族や親族とのつながりも生じるイベントになります。
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同居や二世帯住宅の可能性を話し合う
親の介護や実家の資産管理など、将来的な課題をあらかじめ想定し、受け入れられる範囲を共有しましょう。
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冠婚葬祭や行事の参加頻度
帰省のタイミングや回数をどうするか、相手の親との付き合い方を具体的に擦り合わせます。
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親の干渉レベルへの対処法
どの程度の干渉なら許容できるか、トラブルが起きたときにどちらがどう対処するのか、結婚前から方針を持っておくことが大切です。
価値観の違いは、些細な衝突から重大な対立まで広がる可能性があります。とくに子ども・仕事・信仰といったテーマは、結婚後の生活に直結するため、結婚前に話し合っておきましょう。
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子どもに関する考え方
何人欲しいのか、いつ頃欲しいのか、子育てに対する役割分担や教育方針はどうするかなどを話し合います。
「絶対に子どもは欲しい」「できれば欲しい」「いなくてもいい」など、希望の温度差を早めに確認しておくと安心です。 -
仕事とキャリアプラン
共働きにするのか、専業主婦(主夫)になるのか、ライフステージに応じてどう役割分担を変えていくかをイメージしておきます。
転勤や起業などの可能性も含め、お互いのキャリア形成を長期的に検討します。 -
宗教観・人生観のすり合わせ
信仰や行事への参加度合い、家族が持つ宗教観の影響など、結婚後に重大な摩擦が生じるケースもあります。
異なる宗教観を持つカップルが、幸せな結婚生活を築くためのチェック項目をこちらのページにまとめましたのでぜひご確認ください。
DV(ドメスティック・バイオレンス)は身体的暴力だけでなく、言葉の暴力や精神的支配も含まれます。結婚前にサインを見逃さないことが肝心です。
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デート中の言動を客観視する
理不尽に怒鳴ったり、物に当たったりする様子はないか。
相手の機嫌次第で周囲を振り回すような言動が見られたら要注意。 -
周囲の意見や第三者の目を活用
共通の友人や家族に「普段の二人はどう映っているか」を尋ねてみる。
もし不安要素があれば、カウンセラーや専門機関に相談するのも手です。 -
怪しいと感じたら早めに相談
DVは結婚後に深刻化しがちです。不安ならすぐ第三者に相談し、早期に対処を考えましょう。
こちらの記事では「彼氏・彼女のDV傾向チェック方法と向き合い方」について紹介していますので、こちらもぜひご確認ください。
浮気や不倫は夫婦間の信頼を根本から崩す行為です。結婚前に「どういった行動を浮気とみなすのか」を確認し合い、相手を尊重しつつ信頼関係を築く方法を話しておきましょう。
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浮気の定義をすり合わせる
SNSのやり取り、食事、飲み会など、どこからがアウトなのかラインを明確に。
お互いの「許容範囲」を理解しておくと予期せぬトラブルを減らせます。 -
普段の言動から誠実さを確認
結婚前のデートでの態度や、元パートナーとの付き合い方などから、相手の誠実さを冷静に見極めましょう。
こちらの記事では、「浮気トラブル」をできる限り未然に防ぐためのポイントをまとめましたので、ぜひご覧ください
金銭感覚のズレは、結婚後の生活に大きなストレスをもたらす代表的な要因です。結婚前に以下の点をしっかり話し合い、対策を練りましょう。
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収入や支出の透明化
お互いの収入、貯蓄額、借金の有無などを素直に共有する。
「自分の収入が少ない(多い)から言いづらい…」などの遠慮は禁物です。 -
家計管理のスタイルを決める
共同口座で生活費を管理するのか、それぞれが必要分を出し合うのかなど、具体的なシステムを決めておきます。
家賃やローン、公共料金などの固定費、食費や日用品などの変動費をどのように負担するか明確化すると安心です。 -
長期的な金銭プランの共有
住宅購入や保険、将来の子どもの教育費、老後資金など、長い目で見た資金設計を一緒に検討します。
こちらの記事では、「お金の価値観のすり合わせ方」についてまとめておりますので、ぜひご参考ください。
3. まとめ:結婚前に今から準備できること
金銭感覚のズレ、コミュニケーション不足、浮気・不倫、DV、価値観の違いなどは、結婚生活に深刻なトラブルをもたらす代表的な要因です。 あらかじめ離婚理由を把握しておくことで、どのような問題が起こりやすいかを具体的にイメージしやすくなります。 また、結婚前に十分なコミュニケーションの時間を取り、お互いの希望や将来設計、普段の生活習慣を丁寧にすり合わせることが何より大切です。 相手の「言葉」だけではなく、「行動」や態度からも誠実さや責任感を見極めていきましょう。