理想の条件 2026.10.18 更新

婚活で「いい人がいない」のは自分のせい?全国調査でわかった3つのミスマッチ

「アプリを続けても出会えない」と悩む前に知っておきたい、日本の独身市場の構造的なズレ。全国調査を分析した論文から、人数・収入・年齢の現実を整理します。

  • 「マッチングアプリを何ヶ月続けても、条件に合う人に出会えない」
  • 「周りはみんな結婚しているのに、自分だけ取り残されている気がする」

婚活で行き詰まりを感じたとき、私たちはつい「自分の選び方が悪いのかな」「私に魅力が足りないせいだ」と、自分自身の内側に原因を探して責めてしまいがちです。

でも、少し立ち止まって確かめておきたいことがあります。そもそも、あなたの希望に合うお相手は、日本全体でどのくらいいるのでしょうか?

この記事では、日本の全国調査を分析した論文(Ghaznavi et al., 2022, PLOS ONE)をもとに、結婚の意思がある独身者の「人数・収入・年齢」に関する希望と現実のズレ(ミスマッチ)を整理します。 ※2015年のデータ分析であるため、現在の婚活市場の「あたり」をつけるための客観的な地図としてお役立てください。

01結論:婚活のしんどさは「市場の構造」からも来ている

この論文が伝えているメッセージを一言で表すなら、「あなたが結婚相手に望む条件と、実際に存在している独身者の分布が、人数のレベルで噛み合っていない場面がある」ということです。

「うまくいかないのは自分が悪いから」と決めつける前に、この「構造側のズレ」も視野に入れたほうがずっとフェアです。ここからは、婚活で意識しておきたい3つの大きなミスマッチを順番に見ていきましょう。「あなたが悪い」という話ではなく、「希望をどこから動かせるか」を考えるためのヒントになります。


02自分のせいにする前に見たい「3つのミスマッチ」

ミスマッチ①:住む地域と年代による「人数の偏り」

結婚の意思がある独身者の人数は、全国平均で見ると「男性 約983万人 vs 女性 約848万人」と、男性が約135万人多い状態です。さらに、地域や年代によってもこの偏りは大きく異なります。

  • 地方(人口密集地以外):独身男性が独身女性の1.31倍(男性が約60万人多い)
  • 関東地方:独身男性が独身女性の1.23倍(男性が約60万人多い)
  • 年齢別:25〜39歳で約80万人、40〜49歳で約50万人の「男性余り」

これは「あなたが努力すれば解消する問題」ではなく、地域・年代という土俵そのものの偏りです。裏を返せば、マッチングアプリで検索するエリアや年齢層を少し広げるだけで、出会える独身者の比率はガラッと変わりうるということです。

ミスマッチ②:女性が望む年収と、実際の「お財布事情」

結婚相手に求める条件として、「重視する(決め手になる)」「考慮する(決め手ではないが気にする)」を合わせた割合を男女で比較しました。

「重視+考慮」の割合女性男性
経済力94.0%40.5%
職業84.9%43.9%
人柄89.0%75.0%
容姿15.0%23.0%

※論文 Figures 3・4 より抜粋。

経済力や職業は女性のほうが気にする割合が圧倒的に高く、容姿は男性のほうがやや高い結果でした。では、実際の独身者の収入分布はどうなっているのでしょうか?(※25〜49歳の独身者を分母とした場合)

  • 独身男性のうち、年収500万円以上は約14%(約88万人)
  • 独身男性のうち、年収700万円以上は約3%(約17万人)
  • 男女とも、大多数は年収300万円未満

論文では、女性が「自分と同等以上の収入の男性」を望むという強めの仮定を置いたうえで、希望条件を満たす男性1人に対して、女性が分布上何人いるかを試算しています。

  • 年収500万円以上の男性1人あたり:約9.49人の女性
  • 年収700万円以上+大卒の男性1人あたり:約65.41人の女性
ここは誤読に注意! これは「1人のハイスペ男性を65人の女性が血みどろで奪い合っている」という意味ではありません。あくまで「希望条件を満たすつもりで動いている女性が、分布上それだけ多い(男性側の分母が薄い)」という比率を示すものであり、特定の個人をランク付けするものではありません。

婚活で「条件に合う人が全然いない」と感じる感覚の正体は、あなたの魅力不足ではなく、単純にこの「分母の薄さ」から来ている部分が大きいのです。

ミスマッチ③:男性の「年下志向」と女性の希望の食い違い

年齢に関する希望は、男女で明確な違いが出ました。

  • 女性:自分の年齢が変わっても、常に「自分より1〜3歳上」を希望する傾向が強い。
  • 男性:26歳までは同年代を希望するが、26歳を超えると「年下の女性」を希望する傾向が急激に強くなる。40〜49歳で結婚したい男性の希望相手の平均年齢は「約36歳」。

特にギャップが大きいのが年齢差です。40〜49歳で結婚したい男性のうち、約67%が「7歳以上年下」の女性を希望していました。一方、25〜39歳の女性で「7歳以上年上の男性を希望」するのはわずか約7%です。

つまり、男性側の強い「年下志向」と、女性側の「少し年上志向」のあいだに大きな数のギャップがあり、これは個別の努力ではどうにも埋めにくいズレとなっています。


03自分を責める前に。希望条件の「組み合わせ」を点検しよう

論文の結果を踏まえて、恋活・婚活の現場で私たちができることは何でしょうか。それは、希望条件の「組み合わせ」を見直すことです。

ひとつひとつの条件は決して高望み(無茶)ではなくても、掛け合わせると候補がほぼゼロになることがあります。

  • 年収500万円以上 × 大卒 × 自分より年上 × 同じ県内
  • 同年代 × 高収入 × 今すぐ結婚したい男性
  • 7歳以上年下 × 今すぐ結婚したい女性(男性側の場合)

「いい人がいない」と落ち込んだときは、自分の条件の交差点に、そもそも人が何人立っているのかを想像してみてください。

婚活の進め方:OK・注意・避けたいの目安

論文と生活感覚から、条件設定を見直すための目安を整理しました。

OKと考えてよい目安

  • 「絶対にゆずれない必須条件」と「できれば満たしてほしい希望条件」を区別できている
  • 自分の条件の組み合わせが、だいたいどれくらいの人数(母集団)になりそうか、ざっくり想像できている
  • うまくいかないとき、「自分のせい」と「市場の構造のせい」を切り離して考えられる

注意したい目安

  • 「希望条件」のつもりが、いつのまにかすべて「必須条件」に昇格している
  • 「同年代×高収入×年上」のように、掛け合わせると極端に狭くなる条件をすべて固定している
  • 出会えないことを、毎回自分の魅力や努力不足のせいだけで片付けている

できれば避けたいやり方

  • 論文の競争比(65倍など)を見て、「自分は選ばれない人間だ」と順位づけして絶望する
  • 「全部の条件を妥協すれば結婚できる」と極端に走り、自分の納得感を捨てる
  • 「年収700万を望むなんて贅沢だ」などと、論文の数字を使って誰かを攻撃したり責めたりする

論文の数字は、個人を順位づけしたり責めたりするためのものではありません。あなたが納得できる土俵(市場)を賢く選ぶための見取り図として使ってください。

04関連する記事

条件を「必須」と「希望」に分け直す具体的な手順は、別記事の婚活高望みチェックリストで扱っています。条件の交差点に何人いるかを点検したい人は、あわせて読んでみてください。

「優しさ・誠実さ」のような見えにくい条件を重視することの意味については、「優しさ・誠実さ」重視は本当に効く?も参考にしてください。

05まとめ

  • 2015年の調査分析では、結婚意思のある独身男性は約983万人、女性は約848万人で、男性が約135万人多かった。
  • 経済力を重視・考慮する女性は94.0%にのぼるが、年収500万円以上の独身男性は同年代の約14%にとどまり、希望と分布のズレが大きい。
  • 男性は26歳を超えると年下志向が強まるが、女性側は同年代〜少し年上を好むため、年齢希望にも大きな食い違いがある。
  • 婚活がうまくいかないときは、自分を責める前に「希望条件の組み合わせ」と「市場の分母」を一度点検してみるのがおすすめ。

06研究の概要・注意点(くわしく知りたい方向け)

1本の研究で言えること・言えないこと

ここまでの数字や解釈は、以下の限界の中で読んでください。

  • データは2015年の1時点のもの。その後の働き方・マッチングアプリ普及・地域人口の変化までは反映していません。
  • 「条件を下げれば結婚できる」といった因果関係を証明したものではありません。
  • 同性カップル・トランスジェンダーの希望、再婚希望者、49歳以上の独身者は分析対象に含まれていません。
Research note 裏付けにした論文

細部を確認したい方向けに、論文の枠と主な数値を残しておきます。

著者
Cyrus Ghaznavi, Haruka Sakamoto, Shuhei Nomura, Akifumi Kubota, Daisuke Yoneoka, Kenji Shibuya, Peter Ueda
タイトル
Fish in the sea: Number, characteristics, and partner preferences of unmarried Japanese adults — analysis of a national survey
掲載誌
PLOS ONE, 17(2), e0262528
出版年
2022年
対象
2015年第15回出生動向基本調査(日本の18〜49歳)。うち結婚意思のある独身者6,568人を分析対象とし、独身人口に外挿
限界
2015年のクロスセクションデータ。因果は検証していない。回答率は独身76.5%・既婚87.8%で非回答バイアスの可能性あり。
DOI
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0262528
測定
結婚意思、年齢、収入、学歴、職業、希望結婚年齢、希望相手年齢、相手選びで重視する8項目を「重視/考慮/問わない」の3段階で回答
主結果1(人数)
結婚意思のある独身男女は推定で男性 約983万人 vs 女性 約848万人。男性が約135万人多い。地方で男女比 1.31、関東で1.23
主結果2(収入希望)
「重視+考慮」の割合は経済力(女性94.0% / 男性40.5%)・職業(84.9% / 43.9%)・学歴(53.9% / 28.7%)。「重視のみ」では人柄(89% / 75%)・家事育児(54% / 44%)・容姿(15% / 23%)。25〜49歳の独身男性では年収500万円以上が約88万人(14%)、年収700万円以上が約17万人(3%)。競争比は収入のみで9.49人(500万円以上)・50.78人(700万円以上)、収入+大卒で16.52人・65.41人
主結果3(年齢希望)
女性は自分より1〜3歳上を希望(相関0.85)。男性は26歳以降に年下志向が強まり、40〜49歳で結婚したい男性は希望相手年齢の平均が約36歳。年齢差7歳以上希望は男性22%・女性6%

07参考文献

Sources

本文内の統計・参考情報は、以下の資料をもとに確認しています。

L

LoveLabo編集部

LoveLaboは、恋愛や結婚で迷ったときに、気持ちだけで抱え込まず、少し冷静に考えられるヒントを届けるメディアです。国勢調査・人口動態統計などの公的データや、実際の悩みをもとに、一人ひとりの選択に寄り添います。

関連ツール · 90秒

条件に合う未婚者の割合を、データで確かめる

年齢・年収・身長・居住地などをもとに、該当する未婚者の割合を国勢調査から推計します。

無料診断を見る